書籍紹介『基礎からの力学系 分岐解析からカオス的遍歴へ』

   2018/01/22

基礎からの力学系 分岐解析からカオス的遍歴へ (臨時別冊・数理科学 SGCライブラリ)』(小室元政 著 サイエンス社)を自分なりに読み終えました。
今は『基礎からの力学系―分岐解析からカオス的遍歴へ (SGC BOOKS)』で出版されているかもしれません。

以下、当該書籍の紹介と読んでみた印象を述べたいと思います。

序盤は主に振り子を例にとっての力学系の導入。中盤ではベクトル場と写像の固有値による分類、それに続いて分岐の整理、さらにアトラクタの話。終盤では区分的に線形な力学系の話と、カオス的遍歴という題材の話がありました。
終盤の2つはこの本で初見だった気がします(難しそうなのでパスしましたw)。
微分方程式に関する基礎知識(線形微分方程式系の分類について一通りなんか読んだことがある的な)があると読みやすいと思います。

印象としては、分岐について丁寧に整理されていたと思います。各種の分岐が起こる条件を数式で明示し、具体例も載せてあります。
僕にとっての一番の収穫はポアンカレ写像の使い方(ご利益?)が視覚的によくわかった点でした。
これまでも「3次元力学系の話もポアンカレ断面とポアンカレ写像考えると2次元の点列の話に帰着できるよ!」という話は何回も見たことがありましたが、いまいちなにが嬉しいのかよくわからなかったんですよね。まあ確かに点列の話になるのはわかるけど...で終わってました。

この本では、3次元ベクトル場が分岐を起こすとき、ポアンカレ断面で何が起こってるかが丁寧に図で示されていました。
分岐の種類ごとにポアンカレ断面での対応図を載せてくれているのでとてもありがたかったです。

ただ、贅沢というか、単純な疑問なのですが、3次元ベクトル場の議論を2次元ポアンカレ断面の議論に帰着させたとき、その議論を数式で行なうことっていうのはできないのだろうか...。って考え始めると結局ポアンカレ写像ってどう使うんだろうってなっちゃうんですよね...そこらへんはまあこれからも意識して勉強したいと思います。

あと、もうひとつの課題は、非自律系のポアンカレ写像(ストロボ写像というらしいです)の理解でしょうか。いまいちなにがどうなっているのかわからなかった...。

自分は、力学系の復習がてら、という感じで読んでしまいましたが、手を動かして計算を追っていけば力学系の導入にはちょうどいい気もするので、気になる方は書店でチラ見してみるといいと思います~。
(力学系は知っていて、分岐について整理もしくは詳細に学びたい人向けな気がしなくもない...?)

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